ゲーム機やパソコン、携帯電話などが普及したせいで、子どもにも目の乾きを訴えるドライアイが増えています。
とくに空気の乾燥する冬は、ドライアイが発症して悪化しやすい時期です。「子どもは症状を自覚しにくいので親が気をつけて」と専門家は注意を呼びかけています。
子どものドライアイにも大人と同じように目の乾きや違和感、かゆみなどいろいろな症状がみられます。ひどい時には、休憩を取っても疲れ目が残る眼精疲労と重なり、肩こりや頭痛を起こすことがあります。
ドライアイの60%前後に眼精疲労がみられます。いずれも目の酷使が大きな原因ですが、子どもの場合には成長過程にあるため、見逃していると学業に支障を来し、精神的にも悪影響を受ける可能性があります。早期に発見するためには、やはり親の注意が必要です。
実際に、
などの変化が子どもに起こり親が気がつく場合が多いと言えます。
専門家は、「こうした変化に気づいたときは、念のために眼科を受診した方がいいでしょう。眼精疲労は、左右の目の屈折が違う不同視や軽い斜視が原因のケースもあり、その場合には原因に応じた治療が必要になります。」と指摘しています。
ドライアイの予防には、目を酷使しないような日常的なケアが大切です。
などの注意が必要です。
子どもはストレスがあってもあまり表面に出さないので、日ごろから親が子どもとよく会話し、リラックスできる時間をつくることが大切です。
ドライアイという名はよく知られていますが、「病気」であるという意識が薄いため、市販の目薬で症状を改善しようとする人は少なくありません。しかし、市販薬には思わぬ落とし穴があります。使い方を誤れば、かえって重症化を招くと専門家は警告しています。
薬局の目薬売り場には「ドライアイ対応」の製品が数多く並んでいます。保湿作用を高めるため薬液にとろみをもたせたり、清涼感をアップしたり、特色を競い合っています。しかし、専門家は「市販薬は、処方薬との違いをよく理解して使うべきだ」と指摘しています。
問題は薬液に含まれる防腐剤です。薬液を病原体の汚染から守り、長時間安全に使うために添加されますが、多くの市販薬は処方薬に比べて、高い濃度の防腐剤が含まれています。
ドライアイでは目の表面の乾燥を防ぐため、一日に何度も点眼が必要になりますが、涙が少ないため薬液は薄まらず、防腐剤が蓄積する可能性があります。防腐剤は目の表面の粘膜を傷つけます。濃度が高い市販薬では防腐剤の弊害が出やすいことが指摘されています。
実際に、処方薬の使用を勝手に止めて、市販の目薬とカップ式の洗顔液を高頻度に使い続け、症状を悪化させてしまったケースもあります。
市販薬を使い続けても治るわけではありません。ドライアイは、さまざまな要因が複合して起きる病気で、原因が異なれば治療法も異なります。自己判断はしないで専門医で正しい診断を受け、適切な治療を継続することが大切です。