一年を通していろいろなかぜが流行しますが、梅雨の頃から夏期にかけてもいろいろなかぜの流行る時期です。
夏かぜは特徴的な症状を持つものがあり、ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱といった個性的な名前が付けられたものもあります(図1)。 ※病名をクリックすると詳細ページへリンクします。
梅雨になると天候や気温の変化のために、かぜが多くなります。この時期、元気な小学生が、かぜを引いても無理して学校に通ったり、学校の行事に参加するうちに、肺炎を起こしてしまうこともあります。
また、就寝前や起床時にせき込むようになり、何日も続き治りにくいことがあります。このようなせきはのどの奥や気管支が、過敏になって起こることが多いのですが(図2)、マイコプラズマ感染も考える必要があります。
のどの奥に特徴的な口内炎や、口の中に発疹を生じているときには、ヘルパンギーナと呼ばれます(写真1)。
手足に特徴的な発疹や口内炎を起こすときには、手足口病と呼ばれます(写真2,3)。
プール熱と呼ばれるかぜは、のどの発赤と目の充血(結膜炎)を伴い、高熱が4,5日も持続します。
夏かぜは体や口の中に、いろいろな発疹を生じることが多いのですが、病名をつけるのが困難なこともあります。このような夏かぜ発疹症も特徴の一つでしょう。
腹痛や下痢、おう吐を生じる胃腸炎も多くなります。おう吐よりも腹痛・下痢を起こすほうが、発熱を伴いやすい印象があります。時節がら、下痢が強いときには食中毒との鑑別が必要となります。
真夏には扇風機やクーラーをつけっぱなしにしたままで寝たり、窓を開けたままで寝ていて夜風のためかぜを引いてしまうこともあります。夏かぜの熱は一般に高熱で、39℃を越えることも珍しくありません。
のどを見ると、真っ赤になっており、時には扁桃にうみが付着して急性扁桃炎を起こしている場合もあります(写真4)。
ふつうは2,3日で解熱しますが、ときには4,5日も高熱が持続することもあります。
夏かぜはときには髄膜炎を起こすことがあります。
ウィルス性髄膜炎の経過は良好ですが、発熱とともに頭痛・おう吐を伴うときには注意が必要です。髄膜炎の診断は困難なことも多く、頭痛・おう吐を伴う夏かぜは注意が肝心です。
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