梅雨が明ければ、海や山など野外に遊びに行くのを楽しみにしている人も多いことでしょう。そこで気になるのが紫外線。
肌にさまざまな問題を起こすことは有名ですが、目にも悪い影響があることはあまり知られておらず、専門家は「目の紫外線対策も忘れずに」と呼びかけています。
ある調査によれば、小学生から高校生までの子どもを持つ母親200人を対象に行った調査によると、紫外線が子どもの肌に影響することは72%が知っていたのに、目にも影響があると知っていたのは43%にとどまりました。
専門家は、「紫外線のダメージは肌と同じように、目にもたまっていく」と注意を呼びかけています。大人では、目のレンズに当たる水晶体が白くにごり、物がかすんで見える「白内障」になる例もあります。
子どもが白内障になることはまれですが、白目の一部が黄色くにごり、目が血走ったり、乾いたりする「瞼裂斑(けんれつはん)」になる可能性があります。瞼裂斑は有効な治療法がなく、女性を中心に見た目を気にする人も多くいます。
成長期に受ける影響は、大人になってからより大きい可能性があるため早くから紫外線対策が必要と専門家は指摘しています。
では、実際にはどうすればよいでしょうか?
帽子にサングラスが有効で、帽子だけだと紫外線を防げる割合はおよそ50%ですが、サングラスをいっしょに使うと95%以上の紫外線をカットできます。近視用などの眼鏡も紫外線カットの機能があるため、サングラスと同様の効果が期待できます。
紫外線を98%以上防ぐコンタクトレンズも売られていますが、小学生には管理が難しいので、中学生以上にお勧めです。一方、日傘は色によって違いますが、カット率は15~30%と十分ではありません。
オーストラリアでは、屋外で遊ぶ子どもに、つばの広い帽子をかぶらせ、サングラス着用を条例で義務づけている地区もあります。米国でも幼いころから紫外線対策の大切さを教えています。
しかし日本では、サングラスを子どもにかけさせたいと考えている母親は11%しかいませんでした。「色のうすいサングラスでも十分に効果があるので、子どもの目の健康のために、積極的にサングラスをかけさせて」と専門家は呼びかけています。