はしかは子どもがかかる病気の中では、医学の進んだ現在においてももっとも危険な病気の一つであることには変わりありません。
このため一歳を過ぎたら、できるだけ早いうちに予防接種を受けておくことが勧められます。
はしかは高熱とせき、鼻水といったかぜの症状で始まります(カタル期)。このため初めはかぜと診断されることが多く、同じ頃から結膜炎を起こしてくるため目の充血が認められるようになります。
見るからにふつうのかぜとは異なった、重篤感がありますが、発熱後3~4日過ぎる頃から、口の中の頬に白い点々ができてきます。
この白点はコプリック斑と呼ばれ、はしかと診断する重要な所見となります(写真1)。
コプリック斑ができてから、2日後くらいに顔にうすい発疹ができ(写真2)、小さな発疹はすぐに体にも広がっていきます(発疹期)。
発疹は見る見るうちに赤みを増していき、体中に特徴のある発疹を形成します(写真3,4、5)。
高い熱が再び出るようになり、はげしいせき、目やに、鼻水など見るからにつらそうな印象を受けます。この発疹期の発熱は4、5日続いた後に下がっていきます。
熱が下がるとともに発疹の赤みも薄くなっていき、あとには茶色の色素沈着が残ります(写真6)。
この色素沈着も一週間くらいたつと消えていきます。
はしかは気管支炎を起こしやすいため咳が多くなります。はしかが順調に経過し、熱が下がっても咳だけが続くことがありますが、熱が下がっていれば心配ありません。
しかし、発疹が軽くなる頃になっても、熱が続くときには、肺炎を併発している可能性があります。
熱は発疹が出始めてから4,5日後から下がってくるのが普通です。結局、カタル期と発疹期とを合わせると一週間近く、熱が続きます。
一週間以上熱が続くときには肺炎を起こしていないか疑う必要があります(図1)。
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