大人に比べると子どもの歯ぎしりは多くみられます。
成長過程にあるだけに、歯の発育や健康に影響しないかと両親の心配も募ります。
たいていは自然に改善しますが、歯の痛みやぐらつきがあるようなら小児歯科を受診する必要があります。
睡眠中の歯ぎしりは、子どもの14~22%に見られると言われています。
詳しい原因は分かっていませんが、子どもに多い理由はいくつか考えられます。
歯が生えてくる時期になると、その場所に生じた一時的な違和感が誘因になる場合があります。
さらに乳歯の奥歯(乳臼歯)がしっかりとかみ合うようになる2、3歳では、眠っていてもその感覚信号が脳に伝わって歯ぎしりを生じることがあると考えられています。
乳歯から永久歯に生えかわる小学生になると、乳歯が抜けたバランスの悪さやかみ合わせの違和感も誘因になり得ます。
このように小児期は歯ぎしりを起こしやすいのですが、成長とともに自然に改善するケースがほとんどです。
ただ、幼い子がきりきりと音を立てて眠っていれば心配になります。
乳歯の歯ぎしりはほとんどの場合、放置していても心配ないと言われています。
しかし、極端に歯並びが悪くて特定の歯だけに歯ぎしりの負担がかかるなどして、痛みや歯のぐらつきが見られるようなひどいときには小児歯科を受診するように勧めています。
永久歯の場合の対応もほぼ同じですが、永久歯は抜けると生えかわらないので注意が必要です。
まれに、ひどい歯ぎしりで部分的な歯周病を起こして歯が抜けることがあります。
歯ぎしりそのものの治療法はありませんが、歯ぎしりがひどい場合は、小児歯科を受診して歯の状態に応じた治療を受けることが大切です。