- 家庭の医学 -
よく見られる子どもの病気

子どもの発疹

子どもは大人と異なりさまざまな発疹を生じてきます。

子どもの発疹は、おもにウィルスや細菌による感染症が原因で起こってきますが、原因が分かりにくいものもあります。また一般の方にとってぶつぶつや点々とした皮膚の変化はすべて発疹の中に含まれてくると思われます。

ここでは日常よく出会うぶつぶつ、ざらざら、点々とした皮膚の変化も発疹に含めて述べてみたいと思います。

子どもの発疹を考えるときに、

  1. 子どもの年齢、
  2. 発熱を伴うかどうか・発疹の特徴、
  3. 体のどの部位に出ているか

の3点を考えていくと診断の上で役に立ちます。

1歳前後までの皮膚の変化

1歳前後までの発疹
部 位 性 質 原 因
顔・胸 ジクジク・カサカサ 乳児湿疹(1~4ヵ月)
頭・ひたい 白色ロウ・かさぶた 乳児脂漏性皮膚炎(1~4ヵ月)
体・手足の屈曲部 かゆみ アトピー性皮膚炎
おしり げりの後の真っ赤な皮膚 カンジダ皮膚炎
顔・体 高熱後に赤い小発疹 突発性発疹(6ヵ月後に多い)

※原因の病名をクリックすると詳しい説明ページへリンクします。

1歳からの皮膚の変化(発熱を伴うとき)

1歳からみられる発疹(発熱あり)
部 位 特 徴 原 因
唇・舌 発熱後の口内炎 ヘルペス性口内炎
全身 高熱と咳、結膜炎、全身発赤 麻疹(はしか)
全身 水ほう 水ぼうそう
手足ほか 高熱と発疹、頸部リンパ節の腫れ 川崎病
全身 小発疹、耳後部のリンパ節の腫れ 風疹
口の中 夏に多い、口内炎 ヘルパンギーナ
手足・体 咽頭痛、イチゴ舌、小発疹 溶連菌感染症

※原因の病名をクリックすると詳しい説明ページへリンクします。

1歳からの皮膚の変化(発熱がないとき)

1歳からみられる発疹(発熱なし)
部 位 特 徴 原 因
指・顔ほか 水ほう 単純ヘルペス感染症
全身 発赤・かゆみ じんましん
3、4歳からみられる発疹(発熱なし)
部 位 特 徴 原 因
顔・手足 発赤・レース様発赤 りんご病
手・足・口ほか 小水ほう 手足口病
黄色い浸出液で広がるもの、
水ほうを形成するもの
とびひ
比較的固い小丘疹、広がる傾向 水いぼ
かゆみ、小発疹が広がる傾向 草木かぶれ
かゆみの強い発疹、かたまって出やすい 毛虫かぶれ

※原因の病名をクリックすると詳しい説明ページへリンクします。

ときに識別が困難な発疹症

  1. 風疹
  2. 溶連菌感染症
  3. りんご病

原因の特定に困る発疹症

  1. 小児ストロフルス
  2. 夏かぜに伴う発疹
  3. 乳幼児期のアレルギー性発疹
  4. その他(薬物?)

ご注意:ここで述べる皮膚の変化は家庭でふつうによくみられるもので、比較的まれな入院の必要な重症な病気によるものは含まれていません。また年齢による区別も絶対的なものではありませんのでご了解ください。

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