とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)は、主に連鎖球菌および黄色ブドウ球菌の感染によりおこります。
以前は連鎖球菌によるとびひが多くみられましたが、最近はブドウ球菌によるものが多くなってきました。
特殊なとびひとして耐性ブドウ球菌(MRSA)によるとびひが幼児や学童にみられるようになってきました。
市中感染症としてMRSAが検出された事実は現代医学に対する警鐘と考えられます。
連鎖球菌とブドウ球菌とではとびひに大きな違いがあります。
連鎖球菌は皮膚の常在菌として存在しますが、皮膚の傷、虫さされ、あせも、湿疹、すり傷などがあると侵入しやすくなります。
顔面や手足に多くみられ、黄色の浸出液を伴った汚い感じのするかさぶた様の傷をつくります。
浸出液のついた手指であちこちをさわったり、傷の周囲に液がつくととびひとして広がることになります(写真1~6)。
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従来はこのタイプのとびひが多くみられました。
見た目には汚くひどい印象がありますが、抗生物質を内服するとよく効き、うすい黒っぽいかさぶたを作りながら速やかに治っていきます(写真7)。