- 総合内科のアプローチ -
関節痛・筋肉痛と内科の病気

A、首筋付近から腰(頸椎から腰椎)にかけて
脊柱に沿った痛み

5多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ)

多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞というリンパ球が腫瘍化した病気で、単に骨髄腫ということもあります。形質細胞は免疫グロブリン(抗体)という、病原菌から体を守る働きをするタンパク質をつくっています。
正常な形質細胞は骨髄に1%未満の割合でしか存在しませんが、多発性骨髄腫の場合、通常10%以上にまで増え、 異常な免疫グロブリンを産生し(M蛋白と呼ばれ、感染防御の働きをしません)、様々な症状を引き起こします。

年齢の高い方に多い病気で多くの場合60歳以上ですが、30歳代あるいは40歳代の比較的若い方に発病することもあります。また男性の患者数が女性よりも多いとされています。

ふつうは全身の骨髄で病気が発生しますが、ある一部分で"かたまり (腫瘍) "をつくる時があり、その腫瘍は形質細胞腫と呼ばれます。一般的にはゆっくりとした慢性の経過をたどりますが、まれに急激に進行する場合もあります。

多発性骨髄腫では多彩な症状が現れます。最も特徴的なのは骨の破壊による症状です。骨からカルシウムが溶け出すことによって 血液中のカルシウムが高くなると(高カルシウム血症)、口の渇きによる多飲と多尿、吐き気や便秘、ぼんやりする(意識障害)などが現れます。

多発性骨髄腫で生じる痛みの部位
多発性骨髄腫で生じる痛みの部位

骨の破壊が進行すると骨がもろくなり、日常の動作でも骨折(病的骨折)を来すことがあります。骨の破壊は頭蓋骨、脊椎、肋骨、骨盤などに多くみられます。特に胸椎や腰椎などの脊椎では、重力により押しつぶされる骨折(圧迫骨折)が起こりやすく、背部痛や腰痛が生じます。骨粗しょう症・骨折などの骨病変は骨髄腫患者の77%に認められます。

さらに、背骨が強く変形すると、背骨の中を通っている脊髄という神経が圧迫されてしまい、手足のしびれやまひ、排尿や排便の障害などの非常に重篤な症状が起こります。また骨髄腫細胞が骨髄での造血を妨げることにより、倦怠感や息切れ、感染しやすくなる、出血傾向などの症状が現れます。さらにM蛋白は腎臓などの臓器にも悪影響を及ぼすことがあり、腎の機能が低下してしまいます(むくみなどの症状がでます)。

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