悪性腫瘍が脊椎や硬膜外腔に転移し、脊柱管へ伸展した結果、脊髄の圧迫を起こすことがあります。前立腺ガン、乳ガン、肺ガンからの転移がそれぞれ20%と大半を占め、転移部位は胸椎が最も多いです(60%)。
背部痛が初症状であることが多く(83~95%)、診断時には筋力低下(35~75%)、しびれなど感覚障害(50~70%)、膀胱直腸障害(50~60%)を示します。脊髄外からの圧迫では感覚障害が下肢から上に上がっていきます。痛みが強くなると起きることが困難となります。夜間痛が強くなって安眠できなくなることもあります。
中高年の患者さんの場合、腰や背中の痛みはありふれた症状なので、「年のせい」と考えがちですが、痛みがだんだん強くなるときは見過ごせません。