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関節痛・筋肉痛と内科の病気

C.おもに手首・手指の関節の痛みおよび
足首・足指など小さな関節の痛み

4乾癬性関節炎

乾癬では銀白色の皮膚の粉をともない境界明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出ます。乾癬の約90%がこの症状です(尋常性乾癬)。大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を作ることもあります。できやすい部位は慢性の機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿伸側などです。
青壮年期に発症することが多く多発しますが、通常、内臓を侵すことはありません。かゆみは約50%の患者さんにみられます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。
*皮膚病変については(日本皮膚科学会 乾癬Q&A https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q01.html)をご覧下さい。

人口のおよそ0.1%と推定されています。昔は日本人には極めてまれと考えられていましたが、徐々に増加傾向にあり、現在では決してまれとはいえなくなりました。白人では人口の2~3%といわれており頻度の高い皮膚病として知られています。

乾癬性関節炎は主に手の指に腫れと痛みを伴う関節炎です。第2関節や指の付け根の関節が炎症をおこしやすい関節リウマチと異なり、第1関節にも関節炎が出現し、腫れたり痛んだりします。その他、手首や膝、足首、足の指などにも起こりやすいです。関節炎の強くてもごくわずかな皮疹のことがあり、注意深く皮膚を調べる必要があります。

乾癬性関節炎では、脊椎炎が原因で背骨に沿った背部痛を起こすことがあります。脊椎炎は頸椎から始まることが多いため頸部痛を生じます。強直性脊椎炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患による脊椎関節炎などが仙腸関節といわれる腰椎下部から痛みが始まるのと大きな違いです。

乾癬性関節炎で生じる痛みの部位(※赤丸は主な関節痛の部位)
乾癬性関節炎で生じる痛みの部位(※赤丸は主な関節痛の部位)

参考: https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q01.html
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000611.html

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