口唇は単純ヘルペスウィルスにより多彩な皮膚症状が出やすい部位です。
口唇ヘルペスの皮膚症状は、1びらん、2口角炎、3口内炎、4腫脹、5水疱 に分けると整理しやすくなります。
口唇にできる単純ヘルペスはしばしば口唇のびらん(ただれ)として発症します。
注意すると口唇の縁に沿ってびらんができているのが分かります(写真12、13)。
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びらんは口唇周囲だけでなく口唇にもできます(写真14、15)。
小学生によくみられるのが、口唇の乾燥と不快感のため口唇をよくなめるために楕円形のびらんが口唇を取り囲むようにできることがあります(写真16、17)。
いわゆる「あくちが切れる」のは、口角にできた単純ヘルペスの場合がほとんどと考えられます。
口を開閉するたびに口角が切れるため治りにくくなります(写真18、19)。
そこに細菌感染を起こして、とびひのようになることもしばしばあります(写真20、21)。
口唇に多発する口内炎として単純ヘルペスはよくできます。
口唇全体を占めるような大きな口内炎を起こすこともしばしばあります(写真22~25)。
このような大きな口内炎は、不思議と猛暑の夏に中学生が部活中に起こすことが多いようです(写真26)。
口唇に単純ヘルペス感染が起こると赤く腫れてくることがあります(腫脹)。ヘルペスによる水疱や口内炎を伴うこともあれば(写真27~29)、
水疱がはっきりと分からない場合もあります(写真30)。
最後になりましたが、「ねつのはな」として知られる単純ヘルペス疱疹はもっとも一般的なものです(写真30、31)。