単純ヘルペス感染症は口腔内(口の中)にもよく起こります。
誰でも経験するのが口内炎でしょう(写真32)。
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口内炎の正確な原因は今だ明確ではありませんが、そのほとんどは単純ヘルペスによるものと考えられます。
小さな口内炎の一つや二つは誰にでもできとくに問題にはなりませんが、舌に無数にできる乳頭の腫脹や舌先にできる巨大な口内炎は痛みのために食事をするのも困難です(写真33~36)。
また、のどの奥にできた口内炎には軟膏が使用できないため、自然に治るのを待たなければなりません(写真37)。
夏かぜとして有名な手足口病の口内炎も舌に大きな口内炎をつくることで有名ですが、これらの例は単純ヘルペス感染症によるものです。
からだにできる単純ヘルペス感染症は、帯状疱疹とときに区別が必要になります。
区別が困難な例もありますが、帯状疱疹は神経の走行に沿って帯状に広がり、水疱がやや大きく、かさぶた(痂皮)も黒く大きくなる傾向があります。
単純ヘルペスでは、水疱は小さく、帯状というよりは無秩序な広がりを持った水疱を形成します。顔やからだの左右にまたがって広がります(写真38~39)。
手足にも単純ヘルペス感染症は起こります(写真40~44)。
おしゃぶりが原因で乳幼児の親指に水疱ができることもあります(写真45)。