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関節痛・筋肉痛と内科の病気

D.不定部位に起こる関節痛や筋肉痛

上下肢の特定の関節に限らず、広い範囲の関節や筋肉に痛みを生じることがあります。
内科診療所の外来では、これらの疾患が原因で起こる関節痛や筋肉痛の中で、とくに1から4の疾患はしばしば遭遇します。

4低カリウム性ミオパチー

低カリウム血症の原因はさまざまですが、下痢や嘔吐などで消化管から消化液とともにカリウムが失われてしまう場合や、利尿薬や副腎皮質の病気(アルドステロン症やクッシング症候群など)により腎臓から尿中にカリウムが失われてしまう場合などがあります。
漢方薬に含まれる甘草(かんぞう)の成分が腎臓で副腎皮質ホルモンの作用を増強して、尿中に大量のカリウムが失われることもあります。

カリウムの低下で障害を受けやすいのは、筋肉(骨格筋や心筋)、消化管、腎臓です。筋肉に関連した症状としては、手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばりがみられ、これらに加えて力が抜ける感じ、こむら返り、筋肉痛が現れてだんだんきつくなります。 

低カリウム血症を起こす原因はさまざまですが、日常の診療で多い原因は原発性アルドステロン症と呼ばれる病気や薬剤によるものです。
原因となる主な薬剤としては、1.カンゾウを含む漢方製剤(芍薬甘草湯、甘麦大棗湯、小柴胡湯など)、2.肝臓疾患・アレルギー用剤(グリチルリチン含有製剤)、3.副腎皮質ホルモン剤(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン)などです。とくにカンゾウを含む漢方薬の一つ「芍薬甘草湯」は「こむら返り」の治療薬として頻繁に使用されるため、長期の内服の際には注意が必要です。

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