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誰でも分かる「心電図の簡単な読み方」

2.心電図の波形のでき方

さて、実際の心電図に目を向けましょう。

心電図の波形は電極を付けた部位によって異なりますが、基本形は下図に示すように3つの波からできています。(図1)

心電図の波形のでき方
図1心電図の波形のでき方

初めに小さなドーム状の波(これを「P波」といいます)があります。
次にとがった背の高い波(これを「R波」といいます)があります。
次にやや大きなドーム状の波(これを「T波」といいます)があります。
心電図の波形はこの3つの波の繰り返しからできています。

もう少し詳しくみると、R波の前後には小さな下向きの波「Q波」と「S波」があります。
前後のQ波、S波を合わせてR波を「QRS波」ということがあります。
Q波とS波は12誘導心電図では見えやすい誘導と見えにくい誘導があります。

心臓が収縮・弛緩をくり返すのは、次に述べるように電気的にからをくり返しているからです。

  1. 洞結節にスイッチが入り
  2. 電流が心房を流れて、房室結節に入り
  3. 心室内の電線(左脚と右脚)に電流が流れると、心臓が収縮する(脱分極)
  4. 電流の流れが一時的に途絶えると、心臓が弛緩する(再分極)

このようにからと電気の流れが変化するにつれて、P波・QRS波・T波ができます。
すなわち、

  1. 洞結節にスイッチが入る→P波
  2. 電流が心房から房室結節に流れる→P波の始まりからQ波の始まりまで(PQ時間
  3. 心室に電気が流れて心臓が収縮する→QRS波
  4. 心臓が弛緩する→T波

という関係があります。

これを知っているだけでほとんどの心電図を読むことができます。

>>次ページから、実際の心電図の読み方について解説します。

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