心筋梗塞の発作は時間とともに特徴的な心電図変化(図1)を起こします。
心電図変化を知っておくことは心筋梗塞の診断と発症してからの時間経過を知ることができるため重要です。
心筋梗塞が発症すると急性期には(発症1週間まで)、
ST上昇→異常Q波の出現→陰性T波(冠性T波)
という変化をとります。
一般外来で心筋梗塞の患者をみた場合、発症後数時間以内のことが多いため、急性期(発症数時間以内)の心電図変化を知っておくことは特に重要です。
発症数時間以内ではST上昇がみられ、それとともに異常Q波が形成されるようになります。 (図2) (図3)
しかし発作によっては、① R波の変化(とくにR波が低くなる)だけ起こる、② 陰性T波の変化だけ起こる(心内膜下梗塞の場合)ことが、急性期の変化として認められることがあります。
このような場合、心筋梗塞を見逃さないように注意すべきです。(図4)
心筋梗塞の心電図変化から心臓のどの部位に心筋梗塞が発症したか明らかにすることができます。
さらに心電図変化から狭窄から閉塞を起こした責任冠動脈を推測することが可能です。
詳しくは、次回の 7.12誘導心電図の記録 に詳しく述べる予定です。