- 家庭の医学 -
よく見られる大人の病気

うつ症

一般の内科医院にもいろいろな体の不調の原因が、軽いうつ症と思われる方が多く受診されます。

軽いうつ症では、いらいらする、気分が落ち込んできたと本人が自覚されている場合もありますが、本人は気がつかずに、夜眠れない、食事が進まない、体がだるい、肩こりや頭痛が続く、どうきが打つなどといった不定愁訴を生じる場合もあります。

このようなうつ症状は、大きな環境の変化だけでなく、ささいなきっかけでも起こることあります。うつが「心のかぜ」と言われるように、誰にでも起こる可能性があります。

うつ症状が誰にでも起こるかというと、やはり起こりやすいタイプがあるようです。どちらかというと、いいかげんな性格の人よりも、几帳面で仕事などもきちんとすませないと気がすまないといった性格の人に起こりやすい印象があります。また、女性では、一見朗らかで、明るいと思われていた方が、突然うつ症になり来られることがあります。

一般内科で治療ができるのは、軽いうつ症状の方に限られますが、うつ症が原因で体調不良を起こしていると説明しても、すぐには納得してくれないことがあります。この場合には、内科的に必要な検査を行って異常がないことを納得してもらってから、うつ症の治療を開始するようにした方が良いかと思います。

また、病名もうつ症と言うよりも、自律神経失調症と言った方が、受け入れやすい場合もあります。自律神経失調症とうつ症とは切っても切れない関係にあります。
本来、自律神経失調症は自律神経のバランスのくずれが原因で起こる、さまざまの体の症状(どうき、血圧の変化、腹痛、下痢など)を指すのに対し、うつ症は気分の障害がおもになります(図1,2)

自律神経と自律神経失調症
図1自律神経と自律神経失調症
うつ症は「こころのかぜ」
図2うつ症は「こころのかぜ」

さて私たち日本人が心療内科や神経科に受診する頻度は、欧米人に比べてきわめて低いと思われます。
アメリカでは、とくに上流社会では精神科医をホームドクターとして抱えている場合が多く、少しでも悩み事や心配事があると精神科医の診察を受けます。また、大学にも精神科医や専門スタッフが常駐し、相談できる体制ができあがっています。

日本人はアメリカ人に比べて我慢強いせいか、心の悩みは医師に相談せずに、自分で我慢して乗り切ろうとする傾向が強くあります。自分で解決できるうちはよいのですが、うつ症ではがんばらないといけないという気持ちと、がんばれない自分 という事実のはざまで、だんだん泥沼にはまりこんで悪化しやすくなります。

最近は新しい種類の抗うつ薬が開発されており、軽症うつ症の治療は副作用もなく、効果的に行えるようになりました。薬に頼るのはどうもという人が多くいますが、抗うつ薬は劇的に効くことも多く、逆に薬に頼るのだと割り切ることができれば、その気持ちだけでもうつ症は良くなっていると言えるでしょう。

内科医としては、むしろいろいろな体の症状のかげに隠れているうつ症を見い出し、説明や治療を行う必要があります。しかし内科医として治療が可能なうつ症は限られており、多くのうつ症の方はやはり専門医の治療が必要であるとの実感があります。
できるだけ速やかに専門医の診察を受けていただくように勧める必要性を感じています。

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よく見られる大人の病気

1. 診察室でよく見られる症状 肩こり 肝機能障害 更年期障害 口の中の病変 せき めまい 頭痛 動悸 耳鳴り 腹痛 味覚障害と舌の痛み ニオイの異常(嗅覚障害) 胸の痛み(胸痛) 睡眠の障害(不眠症) 胸やけ、げっぷ 胃痛・胃もたれ 腹部膨満感、腹鳴 下痢 便秘 口臭 喉のつかえ(喉の異常感) ふわふわめまい・頭重感 ジャーキング 神経調節性失神 長引く声がれ-声帯まひ 眼瞼痙攣 しゃっくり 疲れがとれない・疲労感 口の渇き(ドライマウス) 手足のしびれ 失神 むくみ(浮腫) 物忘れ 手のふるえ 立ちくらみ おなら 声のかれ 冬のかゆみ あごの痛み-顎関節症 冷え症 こむら返り 頻尿 いびき 鼻出血(鼻血) 鼻づまり 汗の異常 微熱 尿もれ(尿失禁) 金縛り・悪夢 目のまわりや顔の痙攣 大人の歯ぎしり 歩くと足の裏に激痛:モートン病 首の後ろ(後頸部)の痛み 中高年に多い弛緩性便秘 中高年者に多いめまい 中高年者の腰痛のときに考える4つのM 2. 皮膚の病気 毛虫かぶれ 大人の蕁麻疹 帯状疱疹 たこ、うおのめ 薬剤性光線過敏症 いろいろある蕁麻疹 りんご病(大人) 足の静脈瘤 みずむし 破傷風 シイタケ皮膚炎 高齢者の帯状疱疹 3. 診察室でよく見られる病気 慢性疲労症候群 偽痛風 リウマチ性多発筋痛症 線維筋痛症 むずむず脚症候群 前立腺肥大症 過活動膀胱(OAB) 間質性膀胱炎 うつ病 単純ヘルペス感染症(大人) 眼瞼下垂 おとなの百日咳 中年に多い椎骨動脈解離 腸内フローラとは 脳脊髄液減少症 高齢者の急な寝ちがえ:頸椎偽痛風を疑う! 咳が続く…大人にも多い百日咳 痛風 急性扁桃炎 膀胱炎と腎盂炎 EBウィルス感染症 食中毒 機能性胃腸症 慢性膀胱炎 過敏性腸症候群 口内炎 高血圧 微小血管狭心症 痙攣性発声障害 肋間神経痛 偽痛風と痛風、化膿性関節炎に注意 緑内障 女性と痛風 子どもの病気はこちら
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