口の中の最も一般的な変化は口内炎でしょう。
再発を繰り返すのが特徴で、再発性アフタ性口内炎ともいわれます(写真1)。
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しかし、口内炎が実際に内科的に重要になるのは、いろいろな全身疾患の一症状として出現してくる場合で、繰り返し起こる良性のアフタ性口内炎の原因は良く分かっていないのが実際のところです。
良性アフタ性口内炎は細菌感染や抵抗力の低下、ストレスや疲労、胃腸障害などで起こってきますが、治療としては口膣用ステロイド軟膏の塗布が一般的で、予防的な治療法は今のところ見当たりません。
何気なく口の中をみていて、気になって医院を訪れるものに舌の根もとに有郭乳頭というものがあります(写真2)。
これは舌の根もとに整然と並んでいます。いぼのように見えるため、なにかの病気のためと思えるのでしょうが、心配はありません。
舌の大切なはたらきは味覚機能です。味覚は舌の大小のぶつぶつ(乳頭)のほとんどには味覚神経があるため、舌はたいへん敏感な構造になっています。
最近、味覚障害(味覚低下)の原因として微量金属である亜鉛の欠乏が注目されていますが、一方では舌の味覚が過敏になって受診される方もいます。とくに舌先が敏感になってピリピリ、ヒリヒリすると訴えられます。
いろいろな検査を受けても異常がない場合、できるだけ舌先をなめたり歯で刺激しないようにするとともに、神経症的になっている場合には抗不安剤などを使用します。
比較的よく見られる舌の変化としては地図状舌というものがあります(写真3)。
幼児や若い女性に多くみられますが、原因はよく分かりません。この模様は日々変化します。
高齢者によく見られるものに口腔カンジダ症があります。カンジダはかび(真菌)の一種で、口の中に常在していますが、義肢装着の高齢者や抗生剤の内服、抵抗力の低下などに伴なってカンジダが増えてくると舌や口の中の粘膜に白い苔のように付着してきます(写真4,5,6)。
乳児期にも哺乳ビンや母親の乳首が不潔になってくると起こることがあります。
舌の下の部分(口腔底)に左右どちらかに暗青味をおびた袋ができることがあります。
ガマ種と呼ばれますが、10~20歳代のやや女性に多くみられます(写真7)。
口腔底には唾液を作る舌下線がありますが、この唾液の通路がつまったり、損傷したりした結果粘液の入った袋ができてきます。自然につぶれたものでは袋が残るせいか再発しやすいようです。
耳鼻科的な手術が行われることもあります。
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